5分でわかる前立腺肥大症

尿モレ・夜間頻尿・頻尿・残尿感 その症状、前立腺肥大症では?推定患者数:400万人 55歳以上の男性の約20% 長年のオシッコの悩みから解放されたいあなたへ

こんな症状で困っていませんか? ・下着やズボンにオシッコが垂れる・夜間何度もトイレに起きる・旅行が心配!・トイレが気になって旅行に行けない!・オシッコの回数が多く何度も行く・オシッコの勢いが悪く「チョロチョロ」としか出ない・いつもトイレを探している・突然の尿意が怖い 当てはまる項目があれば、前立腺肥大症、過活動性膀胱、神経因性膀胱などが考えられ50歳以降の男性では、『前立腺肥大症』が最も疑われるのです。

前立腺肥大症とは?

前立腺は男性だけにある膀胱に接した生殖器官で、主に精液を作る役割があります。
この前立腺が40歳すぎ頃より徐々に大きくなり肥大して、尿道や膀胱を圧迫し尿の
通り道を押しつぶしてしまう病気が前立腺肥大症。
年齢とともに進行していく疾患で(進行性疾患)、統計によると、推定患者数は400万人
55歳以上の男性の5人に1人は前立腺肥大症にかかっていると言われています。(1)

前立腺肥大症

症状はあるものの『年齢によるものだから』『泌尿器科に行くのが恥ずかしい』専門医を受診されない方が多く見られます。

前立腺肥大症を放っておくと… ・夜間何度も起きる 睡眠障害を起こし生活の質が低下 ・尿失禁(尿モレ)が起きる 前立腺肥大症により膀胱の機能が障害される ・膀胱結石ができる 結石ができてしまい出血や感染を起こす ・尿が全くでなくなる(尿閉) 管を入れて尿を排出しなければならない ・腎臓の機能が悪くなる 残尿が増え腎臓に負担をかける

前立腺肥大症の検査は?

問診:排尿の症状やこれまでの病気など詳しく聴きます。 検尿:感染・出血の有無などを調べます 超音波診断:前立腺の大きさを測ります 尿流率測定:『オシッコの勢い』を調べます 残尿測定:排尿後に膀胱に残っている尿の量を調べます

尿流量測定

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前立腺肥大症の治療は?

お薬による治療 広く行われ有効なものも多く認められます。

前立腺肥大症治療薬一覧 ・α受容体阻害薬
・抗アンドロゲン薬
・5α還元酵素阻害薬
・PDE5阻害薬
・植物エキス製剤
症状により単剤~複数薬剤併用を行います。お薬のみの治療で一生問題なく経過できる方は多くおられます。
しかし、問題点として挙げられるのは
51%の方が「治療に満足していない」と答えていることです。
効果不十分の方が多くおられます。
しかも、お薬による治療は「一生飲み続けなければなりません」
治療費もかかります。また、お薬を内服していても、前立腺肥大症は進行する場合があります。
その他、民間治療ではノコギリヤシやサプリメントによる治療などがありますが、しかし、
それらの治療では、有効性がはっきりせず科学的なデータも不十分です。 (14)

お薬を内服しても下記の症状があれば手術を考慮する必要もあります・下着やズボンにオシッコが垂れる・夜間何度もトイレに起きる・旅行が心配!トイレが気になって旅行に行けない!・オシッコの回数が多く何度も行く・オシッコの勢いが悪く「チョロチョロ」としか出ない・いつもトイレを探している・突然の尿意が怖い・オシッコする前に少し(数滴)オシッコが漏れる・検査で残尿が100ml以上認められる

手術治療

前立腺肥大症の手術とは前立腺の中の肥大症を起こしている部分を取り除くことです。
経尿道的前立腺切除術(TURP)と言う手術が70年以上も前から標準術式として行われてきました。
現在でも、最も多くかつ広く世界的に行われている手術ですが、出血が多いことや、術後の痛み、
長い入院期間などの欠点があります。改善の必要性が叫ばれているものの、新しい術式が登場しては
数年で消えていくことが繰り返されていました。
では、安心できる手術法は?

日本泌尿器科学会が、現在行われている手術法について
「効果」「安全面」などを考慮し”推奨グレード”を付け発表しました。
(*日本泌尿器科学会:会員数8200名以上、ほとんどの泌尿器科専門医が入会)

「前立腺肥大症診療ガイドライン」(22) ~前立腺肥大症診療ガイドライン(日本泌尿器科学会編)~ 「前立腺肥大症診療ガイドライン」

推奨グレードAである 経尿道的レーザー前立腺切除術(HoLEP:ホーレップ)が登場したのが
1998年です。
この手術の出現により、開腹手術(お腹を切開する手術)や輸血することがほとんどなくなりました。
新たなる”標準術式”として注目されています。 (15)
手術中の出血量の少なさ、術後の経過、効果ともに、良好な結果を残しています。 (16)(17)(18)
また、手術と聞くと、大変、怖い、痛いなどのイメージを
持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、
HoLEPは、従来型手術に比べ出血や疼痛の合併症発生率が低い手術であり、
「尿が勢い良く出る」「残尿がない」 などの効果が長く続くことも報告されています。 (17)(18)(21)
HoLEPは、再発もほとんどない、根本的治癒となるため、
その後、前立腺肥大症に関する悩み・トラブルからスッキリ解消されることでしょう。 (18)
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前立腺肥大症の根本的治癒のための  HoLEP(ホーレップ)手術
HoLEP:「ホルミウムレーザーによる前立腺肥大症手術」
【3つの特徴】
01:お腹を切らない 内視鏡で行う手術です
02:前立腺肥大の程度はさまざま 大きな肥大にも対応できます
03:入院日数 術後平均3~4日です

HoLEP(ホーレップ)手術とは?

ホルミウムレーザーの特性

切除と止血を同時に行えるため出血が少ない。レーザーの組織到達深度はわずか0.4mm → 出血が少なく切除痕の回復も早い→ 体に与えるダメージが少ない(侵襲:0.4mm)

HoLEP(ホーレップ)の実際

①肥大した前立腺の内腺と外腺の境目にホルミウム・ヤグレーザーを照射し、内腺のみをくりぬくように核出します。
②核出した内腺を、膀胱内に移動させます。
③前立腺組織をすべて膀胱内に移動させた後、モーセレーターという機器を用いて、前立腺組織を細かく切断しながら、吸引し、体外に排出します。

従来型手術(経尿道的前立腺切除術:TURP)との比較 ホルミウムレーザー治療(HoLEP) と 経尿道的前立腺切除術(TURP)

HoLEP:内視鏡を尿道から通し、レーザーファイバーを内腺と外腺の境目にあてる。先端から出るレーザー光で、内腺をくり抜く。夏ミカンに例えると、内腺は実、外腺は皮にあたり、皮から実を剥がすように切除する。実(内腺)から果汁(血液)があまり出ない。TURP:内視鏡を尿道から通して、電気メスで尿道側から前立腺の組織を少しずつ切り取る。夏ミカンに例えると、実(内腺)の部分を直接切除するため、果汁(血液)が、多く出る。

電気メスを使用する手術(TURP)では(図上部参照)夏ミカンの実に当たる前立腺の肥大した組織に
少しずつ切り込んでいくため、出血が避けられず、切除部分が大きくなると輸血が必要になったり、
開腹手術を適用しなければならなく可能性が増すと言う問題点があります。
HoLEP(ホーレップ)では、切除と止血を同時に行えるレーザーを使って肥大部分を丸ごと摘出する
ため、出血は極めて少なく済みます。

従来型手術(経尿道的前立腺切除術:TURP)との比較

術後の経過は?

~1ケ月
散歩、車の運転、旅行(軽作業の範疇)などは問題なく行うことできます。
股がる乗り物(バイク、自転車など)は控えていただきます。
時々血尿(赤ワイン程度の色)やかさぶた(痂皮、とう、つ)が出てきます。
また、退院後間もない時(2週間程度)は、突然変わった前立腺の変化に膀胱がついていけずに尿が漏れたり、 強い尿意が起こったりする場合もあります(17%)。
~3ケ月
排尿痛、頻尿などが起こってくることがあります。 傷(手術創部)の治っていく間に起こる変化です。
傷の治りかけの時にある「痛がゆさ」のようなものです。 症状が強い場合にはお薬を内服いただくこともあります。
3ケ月~
手術創部の傷は治っている状態です。前立腺肥大症のために無理をしてきた膀胱の機能がだんだんと戻って来ます。 前立腺肥大症手術に対する状態は多くの場合この時期で完治します。

入院手術にかかる費用は?

保険適応 HoLEP(ホーレップ)にかかる手術費用は以下の通りです。

入院手術にかかる費用

お薬治療との比較

「薬代と手術料を比較すると、約1年半でほぼ同額になることから、
手術適応となる症例は経済性の観点からも、漫然と薬物療法を継続せずに、
手術療法を実施するべきである。」(抜粋)
(出典:日本泌尿器内視鏡学会ガイドライン)
http://square.umin.ac.jp/jsee/menu10-1.html
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よくある質問にお答えします

  前立腺肥大症の人は誰でもHoLEP(ホーレップ)を受けることができますか?
  HoLEP(ホーレップ)治療の際には麻酔をかけて行います。
麻酔が問題なく行える状態でなければ行うことができません。術前検査にて確認いたします。
     
  HoLEP(ホーレップ)を行うと、夜間何度も起きること(夜間頻尿)や
強い尿意 (尿意切迫感)、尿失禁が治るのですか?
  前立腺肥大症に起因するものであれば治りますが、睡眠障害や
膀胱機能障害(過活動膀胱)を合併している場合はその限りではありません。
     
  前立腺肥大症の手術をすると尿が漏れるようになると聞いたことがありますが、
HoLEP(ホーレップ)治療後に尿が漏れること(尿失禁)がありますか。
  ダラダラと尿が漏れ続けるとはありません。治療前の膀胱の状態などにもよりますが、
お腹に力をいれた時や、強い尿がある時に少量出ることがあります。
術後3ヶ月経ってもこの症状が起こる方は2%程度です。 
     
  性的な問題としてEDになることはありますか?
  HoLEP(ホーレップ)治療を行うことによって約8割の方が性的(勃起力)に強く
なったと答えていますが、逆行性射精はほぼ全例に認められます。
     
  退院後は通常の生活ができますか?
  退院後すぐより、散歩、ウォーキング、車の運転、など行うことができます。
しかし、ジョギング、ゴルフ、テニスなど血圧の上がる運動、自転車やバイクなどの
股がる乗り物に乗ることは術後4週間は避けてください。
     
  再発はしませんか?
  HoLEP(ホーレップ)では、肥大した前立腺組織を核出するため、残存組織が少なく、
再発の可能性は術後6年間で1.4%です。
  (1)出典:医学文献PROGRESS IN MEDICINE 28(6):1419 - 1423, 2008より転載
(2)出典:医学文献:Int J Clin Pract 62 (1):18-20,2008より転載
(3)出典:医学文献:Br J Gen Pract 43(373):318-321,1993より転載
(4)出典:医学文献:J Urol 2002;167:172-176より転載
(5)出典:医学文献:夜間頻尿診療ガイドライン、2009より転載
(6)出典:医学文献:BJU Int 2007;99:831-835より転載
(7)出典:医学文献:J Urol 2006;175:1422-1427より転載
(8)出典:医学文献:Urology 1974;3:345-347より転載
(9)出典:医学文献:男性下部尿路症状診療ガイドライン、2008より転載
(10)出典:医学文献:EAU Guideline on BPHより転載
(11)出典:医学文献:J Urol 1989;141:243-347より転載
(12)出典:医学文献:Urology 2002;60:288-291より転載
(13)出典:医学文献:泌尿器外科24(9):1501-1508,2011より転載
(14)出典:健康食品のすべて、2006:307-309,,より転載
(15)出典:医学文献:World J Urol. 2007:25(3):241-7,より転載
(16)出典:医学文献: Eur Urol. 2007: Nov; 52(5):1456-63,より転載
(17)出典:医学文献: Urol Int. 2009; 82(2):130-5,より転載
(18)出典:医学文献: Eur Urol. 2008 Apr; 53(4):744-9.より転載
(19)出典:医学文献 J Endourol. 1998 Oct; 12(5):457-9. より転載
(20)出典:西日本新聞2008年9月8日より転載
(21)出典:医学文献 BJU Int. 2007 Jul; 100(1):94-101. より転載
(22)前立腺肥大症診療ガイドライン、日本泌尿器科学会編集、2011年6月25日より転載
(23)出典:医学文献l:Urol Int.2009;82:130-135より転載
(24)出典:医学文献: Int Urol Nephro 2014l;46:1277-1282より転載
(25)出典:医学文献l:J Urol.2004;172:1012-10166より転載
(26)出典:医学文献l:World J Urol.2007; 25:241-247より転載
(27)出典:医学文献:J Urol 2003;170:1847-1850より転載
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